《MUMEI》

ショータが両脇に荷物を抱え事務所を横切っていると、タイミング良く事務所の扉が開く。
「お、ナイス!牧野さん、そのまま」
「お?おぉ」
銀縁メガネに顔も服装もいまいちパッとしない感じの牧野功は出勤早々待ったをかけられ目をぱちくりさせるが、すぐにあぁと理解する。
「今日は出張だったか」
「そうっすよ。しかもクマ!クマまじくさいんすよ。牧野さんどうにかしてくださいよ」
「オレに言うなよ。洗えばいいんじゃないか?」

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