《MUMEI》
お土産
「もしもし愛加?」


佐久間からの電話だ。


「さっき家に帰ったよ♪」


「長旅お疲れさま」


疲れてるはずなのに、なぜかテンションの高い佐久間に、とりあえずの労いの言葉をかけた。


「やっぱイタリアは遠い!行きの飛行機なんて退屈しちゃってさぁ〜、あ、帰りは時差の調節するために、ずっと寝てたから良かったけど…いや〜それにしてもイタリアは遠いな…」


佐久間は一人でとにかく喋った。


「もしかして…出張先で話し相手がいなかったの?」


なんとなく思い付いて聞いたら、


「なんで分かるの!?もう誰かと喋りたくてウズウズしてたんだよ!!」


佐久間はとても嬉しそうにまた喋りだした。


そんな佐久間の話を聞いていると例の手紙を思い出した。




『佐久間謙二は人殺し…』



この人のどこが??


殺されることはあっても、人を殺すことはなさそうな男だと思った。


きっと趣味の悪いイタズラだったんだわ…


手紙のことは黙っておこう

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