《MUMEI》
序章
『………何も…見えない…』

『………何も…聞こえない…』

『……それに…私は……』




『…………誰…………?』








………あ…れ?

もしかして…さっきのは…夢?

でも……ここは…?

?「あ、目…覚めた…?」

遠くから声が聞こえた。

すると、女の人がこっちに来た。

……誰だろう…。

?「良かった〜……3日も寝たきりだったから心配したんだよ〜…」

寝たきり………?

私、ずっと寝てたの?

一体いつから…?

………それより………私は………誰………?

どうして……こんな所にいるの?

ここは…何処?

…………頭痛くなってきた…。

?「ねぇ…大丈夫?」

………え?

?「さっきから呼んでも返事しないし………。ちょっと顔色悪いよ。」

………大丈夫。

?「そう?ならいいけど」

………うん。

?「あ、そうだ。」

………?

?「名前訊いて無かったね。私は[ミチカ]…君は…なんて名前なのかな?」

………な、まえ?

…そういえば…私の名前って…何なのだろう…

ミチカ「もしかして……自分の名前………わからないの?」

………恥ずかしながら…。

ミチカ「……ちょっと困ったなぁ……」

…そりゃ困りますよね〜…

ミチカ「…ちょっとおばあちゃん呼んでくるね」

………おばあちゃん?





しばらく待っていると、部屋の向こうから結構な年寄りがミチカに連れられてきた。

?「ほう………目が覚めたか…」

………何か凄い威圧的な視線を感じる…。

この人……もしかして凄い人なのかも…。

?「ふむ………おぬし…記憶が無いそうじゃな」

まあ……無いみたいですが…

?「自らの名も忘れてしまったとな?」

…………はい。

?「………そうか…」

ミチカ「おばあちゃん…」

ミチカが心配そうにこっちを見る。

?「………ならば…このニヤーヴァが名付けよう。それでよろしいかな?」

この婆さん…ニヤーヴァって言うんだ…

まあ…元々自分が何の名前かわからないからどんな名前をつけられても文句は言えないな。

……いいですよ。

ニヤーヴァ「ふむ……ではの…」

ニヤーヴァは私の額に手を当ててくる。

その後…静かに目を閉じる。

………正直よくわからない。

………しばらくすると額から手を離す。

?「……うむ。おぬしの名は………シュンカじゃ。」

………シュンカ…。

私は…シュンカ。

それが……今日から私の名となる。

ニヤーヴァ「まあ…今日目が覚めたばかりで疲れたじゃろ。ゆっくり休むとええ。」

ニヤーヴァはそう言うとその場から立ち上がり、去って行った。

ミチカ「これからよろしくね。シュンカ。」

ミチカもそう言うとニヤーヴァに付いて行くように去って行った。

……確かに少し疲れたかも…

今日は………もう寝よう。







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