《MUMEI》
chicken's determination
年が明けた。
どうせ年末年始もバイトがあるからと実家にも帰らず、決まりきった新年番組を一人部屋でごろごろと眺めている間に時間は颯爽とすぎて1月も半ば。気づけば初詣にも行っていない。漫然と過ぎていく時間の流れには、自分の惰性とは言え若干の憤りを感じる。

忘年会新年会と怒涛のワンスパンを終えて居酒屋ももとの忙しさに戻った。
クリスマスに一世一代のカミングアウトをしたにも関わらず、店長は普段通りの表情で休憩室で煙草を吸っていたし、俺はそのことに安堵して以前と同じように銀二に接していた。ほとんど決まったシフトとローティーンに突き動かされるようにぬるま湯を泳ぐ感覚。

そんな日々の中でも、俺は時間が迫ってくるのを漫然と感じていた。

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