《MUMEI》
ニュース
「えぇぇぇぇっ!!!」


私と千夏は開いた口が塞がらないくらい驚いた。


「私もびっくり・・・」


私たち二人を突然呼び出した美幸が少し嬉しそうに言う。


「当分ご無沙汰してると思ったら、和幸とより戻して妊娠して結婚!!!」


千夏が自分の頭を整理するかのように言った。


「ていうか早くない?」


私も頭の中で瞬時に日数の計算をする。


「だから・・・より戻して、すぐに出来ちゃったのかな・・・」


美幸が恥ずかしそうな、でも嬉しそうな顔を相変わらずしている。


「で、またなんで和幸とそんなことに・・・」


和幸というのは美幸が学生時代に付き合っていた二つ上の彼で、太一の先輩でもあった。


「たまたま和幸が銀行の窓口に来たの・・・それでお互いびっくりして、まぁそれが始まりかな」


「和幸は美幸が銀行で働いてること知らないのよね?運命ね・・・」


千夏は相変わらず目が丸くなったまま驚いている。


「とにかく年内には結婚することになったから!」


美幸は嬉しそうに宣言した。


「あ、それで・・・愛加にはお願いがあるの・・・」


お願い・・・?


美幸が少し言いにくそうにするのが気になった。


「二次会の幹事をしてもらえないかな?」


美幸はそこまで言って、一呼吸置いてから付け加えた。


「太一と・・・」

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