《MUMEI》

そして、その日の夜…何故か目が覚めた。

何故か寝ることができない。

寝過ぎというのもあるのだろうか。

眠れないことを不思議に思った私は少し風に当たろうと外に出る。

流石に真夜中だから人通りは少ない。

さっき目覚めた時は家の中からでもわかるほどの賑わいだったけど…。

…とりあえず私はこのへんを適当にぶらぶらすることにした。








…結構歩いたと思う。

そろそろ帰ろうかと思った時、遠くに人影が見える。

あの人影は……ニヤーヴァさん?

でも遠くからだとよくわからない。

もしかしたら別人かもしれない。

でも…あの明らかにただものじゃない気配を出している人は…そうそういるものじゃない。

気になった私はその人に近付いていく。

そして話しかけようとした時……
?「誰じゃ?」
という声とともにその人が振り返る。

その人は………ニヤーヴァだった。

ニヤーヴァ「シュンカか?何故ここにおる?」

シュンカ「何故か眠れなくて…。ちょっと夜風に当たろうと…」

ニヤーヴァ「そうか…。夜は静かじゃろ。」

シュンカ「はい…。でも…私は静かなほうが好きです。」

ニヤーヴァ「ふむ…そうか。」

シュンカ「ニヤーヴァさんこそ何でこんな所に?」

ニヤーヴァ「ワシか?ワシはのぉ…。星を眺めておった。今後のことを調べにちょっとな。」

シュンカ「今後の…ことですか?」

ニヤーヴァ「そうじゃ。星を見ているとな、色々なことがわかるんじゃ。まあ…ワシはこれを[星ノ御告(ホシノオツゲ)]と呼んでおる。」

シュンカ「ホシノ…オツゲ?」

ニヤーヴァ「そうじゃ。しかし御告げを聞ける者はごく少数と言われておる。」

シュンカ「…そうなんですか。」

正直わからない。

ニヤーヴァ「わからないのも無理は無いじゃろ。無理にわかろうとせんでもええ…」

シュンカ「…すいません。」

ニヤーヴァ「なに…謝ることは無い。……それよりおぬし、帰る場所は無いじゃろ。」

シュンカ「…もしかしたらあるのかもしれないですけど…」

ニヤーヴァ「無理して思い出そうとせんでもええ…。まあしばらくは家に泊まってもええしのぉ…」

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