《MUMEI》 「ガムテープと酒買ってきたぞー」 「おー、ありがとう」 センター試験で大学が休校になったので、俺は銀二の部屋に来ていた。 そう広くない空間のあちこちにダンボールが積み上げられている。 「結構進んでんの?荷物整理は」 「んー、まぁまぁかなー」 春から東京に行くとの話だったが、大人の事情か何だかで引越しが来月頭と早まってしまい、あわてて準備を始めた今となってはモデルの卵を一瞥する。 暇だというと手伝いに任命され、もちろん確信犯だったものの、一応迷惑そうな顔をしつつ、ダンボールだらけの家を訪問するという今に至る。入用なものを購入するのも忘れない。 前へ |次へ |
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