《MUMEI》

「わりと荷物多いんだな」

せっせと荷造りをしている友人の傍らでくつろぐわけにもいかず、隣に座って空のダンボールに漫画本を入れていく。

「やっぱりそう思う?」
「ダンボール何箱あんだよ。引越し先もそんな広い部屋でもないんだろ?」
「そうなんだよな〜。やっぱ、漫画とかは売ってこようかなぁ」
「まぁ、かさばるしな」
「うん」

荷物と言ってもコイツの部屋にはほとんど家具がない。あるのは小さい卓袱台とベッドぐらいだ。家電製品もノートパソコンや電子レンジといった小型のものばかりで、必然的に部屋の空間を占めるのは漫画だの服だのごちゃごちゃした雑貨類になる。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫