《MUMEI》
はじまり
そこは時元界。
人間ではないものも、人間も集う。
色々な所に通じていてい何処にも通じていていない。
その世界にはごくごく僅かな確立で、言霊術師が生まれる。
そして今、術師は旅をしている。
少年だけれど、150年ほど生きている。
彼は温和で、心優しく、才を持つ。
稲荷族と狛犬族の双子を一組ずつ連れて、時元界を旅する。
その姿をまるで桃太郎のようだ、と言うものもいる。
だが実際はそんな主従関係と言うよりも、兄弟とか、友達、…家族のような……そんな感じた。
それが彼らなのだ。
「沙羅(サラ)」
その名は言霊術師の名。
彼の名。
彼を縛る名と言うこの世で一番短き呪。
沙羅。
誰がつけたのかは知らないが、沙羅双樹からとったと思われている。
だから、沙羅をシャラと呼ぶ者もいる。
まぁ、それは沙羅を知る人の中でも、数人だが。
……さて、沙羅の力について話そうか。
言霊術とは、沙羅が術を込めて言葉を発すると、その言葉に精霊が宿り、必ずや実現させる。
…………何が何でも。
それは沙羅が精霊に愛され、愛しているからだ。
沙羅は他にも才があるが………それは、沙羅のこれからの旅を見て知ってもらおう。
………………………………………………………………少年よ、悲しき運命を背負い、真実を求めるがいい………………………………………………………………………………………………………………
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