《MUMEI》
まともな食事






同時に起きた。





つか唸りながら秀幸が起きたから目が醒めた。






「今何時?」






まだはっきりと開かない瞼を擦りながら尋ねる。





「ん…――――9時……」




「――――もうそんな時間かよ」




秀幸はずりずりと起き上がりベッドヘッドに寄りかかった。



俺も後に続いて秀幸の肩に頭を乗せる。



――カチリとライターの音、





嗅ぎ慣れた煙草の匂い。





腰に回された荒れた手の感触が俺をほっとさせる。




俺の口元に煙草があたりゆっくりと一口吸い込んだ。





最近煙草の銘柄、秀幸と同じのに変えた。




だって会えない時にこの煙に包まれるとほっとするから。




そして秀幸もいつのまにか、俺と同じ香水を使っている。





煙草を灰皿に押しつけると秀幸は顔を近づけてきた。




軟らかく唇が重なり、何度も短いキスを交す。




髪を、
耳を、



背中を探りあい最後はきつく抱きしめあった。




「今日のご予定は?」




「うん、とりあえずまともなの食いたい」




「そうだよな、ずっとジャンクだもんな〜」




俺はベッドから降りパンフレットを持って戻ってくる。



「ここで食べようか?」



「ルームサービスか?、いーけど高いぞ?
なあ、この部屋だけだって結構かかってるだろ、俺が出しちゃ駄目なのか?」

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