《MUMEI》
クロ
「ね〜クロ。帰りカラオケいかない?」


「行きたいけどなぁ〜、金が…」


元々くじ運が悪かったけど、3回も連続で1番前の席っていうのにはへこんだ。


それ以前に専門学校入ってからも席が固定されるとは思ってなかった。


まぁ高校の時に思い描いてたような場所じゃなかったね。


専門学校って場所は。


いっつも授業まともに聞いてる方じゃないけど、1番前の席の時はそれなりに大人しくしてた方だと思う。


それなりにね。


でも3回も連続。


半年以上も1番前の席にいると慣れちゃって、結局いつも通りに授業中に雑談。


でも、その方が自分らしいかな。
とも思うからいいだろ。


「また金ないの?何に使ってんのさ?」


「う〜ん、服とか、漫画とか、お菓子とか色々。」


一瞬タバコっていいそうになったけど、授業中で自分未成年だしね。
先生もいるから思い留まった。


何故か自分は頭の回転は早い。
おかげで口を滑らすってことはほとんどなかったと思う。


「あとタバコと飲みでしょ?」


「…」


悪いヤツじゃないけど、時々アホ。
状況考えろよ…
って怒るのは休み時間にしとこう。
先生も聞いてなかったし。

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