《MUMEI》

boo…boo…


マナーにしてた携帯が僕を呼ぶ。


(誰?)


携帯見ればいいんだけど、1番前の席だから見ずらい。


ホント厄介な席だよ。


「いつ金入んの〜?」


「わかんない。」


ホントはわかるけど、メールが気になるから会話が頭に入ってこない。


適当に流してしまった。


先生がやたら長い文を書いてる。


夢中だ。


今がチャンス!!


『よっす!!俺もう春休み入ってんだけどさ!!お前明日ヒマ?つ〜かどっちにしても土曜日だからヒマっしょ?高校に練習行かない?』


高校の頃の友達からだった。
ハンド部で一緒だった友達ね。


なんか知らんけど、こいつはやたらハンドボールが好き。


もちろん、僕も好きだからやってたんだけど、あの頃程の熱意はない。


卒業してんのに、高校生の練習に混ざるってのもちょっと抵抗あったし。


まぁ今もチーム入って、社会人リーグに参加してるけど、専門学校は大学と違ってサークルとかないし、運動する機会がなくなるってのは寂しいからやってるって感じで、あんま勝敗とか気にしない運動不足解消程度にやってる。


『ヒマだけど、行かない。』


そう返信して、先生がやたら長く書いている文章を写し始めた。


授業は聞かないけど、ノートはとる。
テストの時困るし。

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