《MUMEI》

「つ〜かさクロ?」


「なに?」


「来年…つ〜か、来期?の社会人リーグ参加すんの?」


「う〜ん。どうかな?僕来年卒業だし、就活とか忙しそうだからな〜。」


「参加しろよ〜。」


「う〜ん…。
まぁとりあえず考えとく…。」


学校到着。


9時から練習って言ってたけど、ちょっと過ぎちゃった。
つっても5分くらいだけどね。


「はぁ。」


やべ。またため息ついちゃった。
もはや癖だな。


「早く行こ〜。もう始まってるよ!!」


「は〜い。」


体育館に入ったらガッカリした。


「伝統だなこれは。」


体育館には8人しかいなかった。
マネージャーと先生除いてね。


「ヤマトさん!!クロさん!!」


「…?
…ああ。
えっと…
ユキヒロだっけ?」


2個下のユキヒロ。
確か今のキャプテン。


「はい!!何しに来たんですか?」


「何しにって…練習混ざりにだよ。」


「マジすか!?助かります。」


「…は?何が?」


「いや、8人だと練習に限界があって…」


「…8人?」


…さっき伝統って思ったのは、練習前にだらだらしてなかなか始まんないってこと。
人数が少ないことじゃない。


残りの部員は部室でだらだら着替えてんのかと思ったのに。


「なんで?8人しかいないのよ?おまえら入部した時めっちゃいたじゃん!!」


「いや…それが、ちょっとゴタゴタがあって、翔太さんたちが引退してすぐ後にほとんど辞めました…」


「はぁ?何ゴタゴタって?8人ってどういうことだよ?」


「いや…ちょっと…」


「…」


とにかくビックリして、言葉にならなかった。

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