《MUMEI》
どうして
弘(ひろし)は、右腕をさすり、痛そうに顔をしかめた。私は、努めて明るく
「ごめんね。待たせた?」
と彼の顔を覗き込んだ。いつもは、笑顔で
「大丈夫」
とやさしく言う彼が、俯いて
「別れよう」
とぼそりとつぶやいた。
頭は、真っ白なのに体は起こった出来事を理解しているのか、足がガクガクしていた。彼は、続けて
「俺は、もう真由に何もしてやれない。」
と弱々しく言った。
彼は、まだ立ち直っていなかったのだ。言いたいことが、たくさんあるのに涙ばかりあふれて言葉出てこない…。
彼は、右腕を見つめたままで顔を上げない。



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