《MUMEI》 「お前はそれでいいのか?」 「いいです。なおひろに嫌われて終わるよりはずっと」 涙で震えていても淀みない口調、強がってもいない、本当に心底悲しさを受け入れたような疲れが滲み出ていた。 俺の選択は、銀二を苦しめていただけだったのか? 長く一緒にいたくて、友達という距離を意識しつづけて接した結果がこれなのか? お前は、ずっと見えないところで不安だったのか? だとしたら俺はどうしたらよかったのか、考えてみてもわからない、誰に聞いても答えは無いような気がした。 「‥‥席戻れるか?」 「すいません今日はこのまま‥‥泣いたのなおひろにバレると嫌なんで」 「みんなには適当に言っとくな」 「ごめんなさい‥‥」 前へ |次へ |
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