《MUMEI》

◇◆◇

 その突拍子もない問い掛けに、戸惑う二人。

「‥‥‥‥‥‥‥」

「ええと──‥」

 黒蝶が頭をひねる。

「いつから‥だったっけ?」

「‥‥気がついたら‥という感じだな」

「小さい頃から一緒だった‥って事?」

「‥‥‥ああ」

「小さいって言っても、あたしが覚えてるかぎりでは、九つ‥位の時だけどな」

「九つ───」

 咲弥は息をのんだ。

「どうした?」

「じゃあ、それからずっと一緒に──」

「まぁ、‥‥そういう事だな」

 黒蝶は照れたように笑った。

◇◆◇

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