《MUMEI》
運動会
九月二十三日。


秋分の日。


運動会当日の朝。


『女性陣はいつもの服装で大丈夫。
ただし、アクセサリーは忘れずに!』


そんな不思議なお知らせに疑問を感じつつも、私は長袖のTシャツと太めのジーンズという、いつもの服装だった。


風は冷たいものの、天気は快晴で、陽射しは強かったから、化粧はしなかったが、日焼け止めだけは顔に塗った。


それから


ブレスレットを、左手首に付けた。


一階に降りると、工藤一家が待っていた。


衛さんは、今日はスーツではなく、ジャージだった。

今回は、何故か衛さんにも参加資格があったのだ。


それは、運動会の優勝者に与えられる『ある事』が関連しているらしいのだが、私はまだ教えてもらえていなかった。


「「パパ、頑張ってね!」」


双子はそれぞれ


やこちゃんがペンダントとブローチ


せいこちゃんがチョーカーとブレスレットを着けていた。


「あら、蝶子ちゃんはブレスレットだけなの?」


そう言う咲子さんは、ネックレス・ピアス・指輪をしていた。


「あ…はい」


結婚指輪はわかるが、普段よりアクセサリーを多く着けている咲子さんに私は戸惑った。

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