《MUMEI》

しかし。


(何? これ?)


中央に設置されたテント前に集合した女性陣を見て、私は驚いた。


皆、これでもかというくらい、沢山のアクセサリーを身に付けていた。


(ん? …でも…)


ごく一部の年配の女性は、アクセサリーが少なかった。


それは、既婚者で


年齢や、健康的な問題で、夫が運動会に参加しない人達だった。


「ちょ、蝶子!それだけなのか?
確率低いじゃないか?!」

私を見つけた俊彦が、悲鳴を上げた。


(何の確率?)


私が首を傾げていると、孝太がやってきた。


ちなみに、俊彦も孝太も、今日はジャージにスニーカーだった。


「もしこれで、蝶子を選べたら、…ある意味運命感じるよな?」


「そ、そうだな」


「お前に繋がる運命かはわからないがな」


「酷っ!」


俊彦が怒ると、孝太は笑いながら男性陣の列に戻った。


「…行った方がいいんじゃない?」


「うん。蝶子、俺、頑張るから!」


俊彦は私の手をギュッと握って、列に加わった。


「蝶子〜、最近俊彦といい感じじゃない?」


「そんな事無いですよ!」

私は肩をつついてきた瞳さんに、慌てて言った。


「そう?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫