《MUMEI》

「そうですよ」


私が否定しても、瞳さんはニヤニヤしていた。


そんな瞳さんも、アクセサリーを沢山身に付けていた。


『いつもの服装』とあるから、薫子さんは、着物だったけれど、やっぱりアクセサリーは不自然なほど身に付けていたし。


琴子に至っては、明らかに和馬の物と思われる男物のアクセサリーまで身に付けていた。


結子さんも


麗子さんも


そして、当然…


(あれ?)


私は二人と話している、愛理さんを見つめた。


愛理さんは、普段は沢山アクセサリーを身に付けているのに


今日は、小さなピアスを付けているだけだった。


?


よく見ると、若い女性陣の中にも、少数ではあるが、目立たないアクセサリーを一つだけ着けている人達がいた。


「最後にわかるわよ」


首を傾げる私に、瞳さんが笑いながら言った。


そして、商店街は歩行者天国になり


大半が『シューズクラブ』の四人目当てだと思われる大勢の見物客が見守る中


(ちなみに、和馬の客は、琴子の…『彼女』の事を知っても、意外と減らなかった)


珍しい


『男性陣限定』で


『個人戦』


の運動会の幕が上がった。

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