《MUMEI》
打ち合わせ
夕食を終えて洗い物をしていると、携帯が鳴っているのに気づいた。


携帯を見ると二度と表示されないと思っていた太一の名前が出ている。




「もしもし…今、いい?」


太一とまた電話で話すなんて思ってもみなかった。


「電話するなんて久しぶりで緊張したよ」


太一も同じことを感じているのか、少し照れている。


「和さんと美幸の件なんだけど……聞いた?」


「うん」


と答えながら、なんで私を指名したの?と聞こうかどうしようか悩む。


「式まで時間ないし、店とか早く決めないとまずいから、近いうちに打ち合わせも兼ねて会わないか?」


聞くタイミングを逃してしまった…


「いつが都合いい?愛加に合わせるよ」


「じゃぁ…明日は?」


「了解!」


そして太一は付き合っていた頃によく待ち合わせた場所を指定してきた。

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