《MUMEI》

「何か、皆必死ですよね」

「まぁね」


私は薫子さんと琴子と一緒に、運動会を見物していた。


琴子は物静かで落ち着きのある薫子さんと気が合うようだった。


私が琴子と一緒にいるので、和馬の事が大好きだった双子は私の側から離れ、咲子さんにべったり張り付いていた。


瞳さんは、結子さん・麗子さん・愛理さんと一緒に、テントにいた。


瞳さんは司会・結子さんは実況・他の二人は解説をしていた。


ちなみに、放送機材やテントの設置等、力仕事は、早朝男性陣が行ったらしい。

(その割に、皆よく動くなぁー)


私が感心していると…


「優勝特典と罰ゲームがあるから」


と、薫子さんが言った。


「それって何ですか?」


私が質問すると、薫子さんは意外そうな顔をした。


「咲子さんから聞いてない?」


私は頷いた。


「琴子は?」


「聞きました」


「…もしかして、知らないの、私だけ、ですか?」


「「多分」」


私の質問に、二人は声を揃えた。


「で、何なんですか?」


「優勝特典は、商店街の旅行の企画。
罰ゲームは瞳が持ってる各自の『恥ずかしい写真』の公開」


「『恥ずかしい写真』?」

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