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《MUMEI》 ◇◆◇ 酉の刻を過ぎると、辺りを月明りが照らし出す。 「なぁ、そういや十五夜まだだっけか‥？」 「もうすぐみたい。ほら、もう半分以上も満ちてる」 「おお、本当だ。月の満ち欠けで分かるんだなぁ」 「‥‥何年か前‥お前に話した事があるだろう、忘れたのか」 傍らに現れた草薙の言葉に、黒蝶は珍しく溜め息をついた。 「何でこういう時にまでお前の説教聞かなきゃならないんだ‥？」 「‥‥説教をしているつもりは無いが」 それがあまりにきょとんとしたそぶりだったので、黒蝶はそれ以上何も言わなかった。 ◇◆◇ 前へ |次へ |
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