《MUMEI》
凡人
「試合?別に構わないけどどことやるんだ?」


「僕たちのチーム。」


「海南?」


海南。
社会人リーグに参加する海南クラブのこと。


今年3部リーグ優勝を決め、2部リーグへと進出を決めたそこそこ強豪のチーム。


「うん。海南。でも多分明日急に全員は揃わないから足りない分は補給する。」


「わかった。明日も今日と同じ時間から始まるから。」


「は〜い。」


試合の約束を取り付けた僕は、ヤマを乗っけて帰ることにした。


「クロ?」


「なに?」


「何で試合しようなんて言い出したの?」


「いや、ちょっと確かめたいことがあったからかな。」


「ふ〜ん。人集まんの?」


「難しいだろ〜ね。日曜日も仕事するような人たちばっかりだから。」


「じゃあどうすんの?」


「とりあえず学生に声かけてみる。それでも多分、足りないから、翔太呼ぼうかと思う。」


「翔太か。来てくれるかな?」


「さぁ?まぁヤマも来るって言えば来ると思うよ!!」


「まぁ…そりゃそうだな。」


当たり前のように言うけど、事実だからしょうがない。


「まぁエースはヤマに頼むよ。」


「おぅ!!」

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