《MUMEI》
ひと夏
「最近ご機嫌みたいだね。」

七生は一人でニタつくことが増えて気持ち悪い。

「……そうか?」

頬を自分で触って確かめる。

「なんか、怪しいなあ」

隠し事反対……。

「そういや、夏合宿って俺は炭持ってく係でいい?」

「うん。食料は東屋と俺が分担するから。」

三年生なのにも関わらず夏合宿を決行する。
受験生だ、たまに息抜きする必要がある。

「じゃ、飲み物は一年に任せるか。
えと、電話でいーや。」

携帯電話を恐らくリダイヤルしてに掛けている。最近、一年と話してたんだ。

「もすもすー、おーちゃん?頼み事あるんだけど」




七生、神部と最近話したんだ……。
よく会話が聞き取れない。


俺、過敏になってる……?
なんか俺……、ヤな奴?

七生はそんな視線に気付かない。
……自分では嫉妬だなんだって五月蝿いくせに俺のことになると鈍感だ。

俺自体もこれが嫉妬だと気付いて間もないけれども……。

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