《MUMEI》

◇◆◇

「さて、と。今日は何するかな」

 黒蝶は呑気だ。

 咲弥は格子を閉め、筆を取ると日記を綴る。

 書きたい事が沢山あった。

 枇杷の花が咲いている事。

 霙が雪に変わった事。

 そこでふと筆を止め、考える。

 春はいつ来るのだろう、と。

 白銀に染まった景色は、いつ色を取り戻すのだろうか。

 再び咲弥の筆が動き出したのは、黒蝶が話しかけてきた時だった。

◇◆◇

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