《MUMEI》 「点呼ー!イチーッ」 七生が高々と手を挙げた。 「ニーッ!」 東屋が続く。 「さん?」 突然の振りに戸惑いながら安西は応えた。 それ以降は誰も無反応である。 駅で叫んで恥ずかしい。 「全員いるな。えーと、高遠抜かすから……」 顧問は頭を数え始めた。 「8ですね、全員います。」 乙矢がすかさずフォローする。 「高遠よく働くな。」 学校行く暇無いくらい働き詰めなようだ。 大変だな……。 「あんな幽霊部員どうでもいいだろ!」 七生、あんな呼ばわりするなよ。 「高遠先輩、色っぽいですよね。」 俺もそう思う、安西よく見ているな。 「センセー安西が高遠のこと……」 七生が顧問に報告しに行く。 「小学生か。」 止めてやれ。 前へ |次へ |
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