《MUMEI》
隆志視点
もうめっちゃおっかしい!



付き合いだしてから、まあ素直になったっつーか、確り甘えてくれたりもするし、料理は美味いし、どんどんエッチになってくし…





――まあそれは別にして!




俺は惇に対して一つだけ不満な事がある!


それは惇がかなりの


が ん こ !




だって事!!



とにかく頑固!



こうだって思い込んだら絶対曲げてくれない。



まあそれはたまにしか出ないんだけど、そのたまにが曲者だったりする。




――さっきの旅行の話。



絶対本心で行かなくて良いと思ってるに決まってる。



きっと勝手にホテル予約したって絶対ついて来ないだろう。


でもね、惇は突然のハプニングにめっちゃ弱い。



だって俺の訳の分からん勢いでこうしてマンションを飛びだすハメになったんだから。




見たこともない様な必死の形相で右折成功!



惇は少しだけほっとした表情でハンドルを必死に握っている。




つか俺ははなから名古屋なんて遠いところ行くつもりないし、正直惇の兄貴に会いたいとはまだ思っていない。




そんな遠くじゃなくて今晩は神奈川の外れ辺りのラブホに泊まって、次の日は俺が運転して箱根辺りのちょっとした温泉にでも一緒に行こうかなって突発的に閃いたっつーの?。




たまたま今日は珍しく二人で休みなんだし、たまには変わった事してもっと仲良くなりたい!




まあ、同棲の件は徐々に話を詰めるとして…。




確かに惇の話を聞くかぎり…



くせ者な兄貴がいるみたいだ。





どちらにせよそれはそれで、いずれ一度は大変な思いをしなければならなそうだけどね…。

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