《MUMEI》

◇◆◇

 火桶に炭をくべ、橙の焔の光を見つめる。

 ただそれだけでも、幾らか寒さは和らいでくる。

「あったかいな」

 咲弥の傍らで、黒蝶はぬくぬくとした表情をして笑う。

 ぱちぱちと焔の爆ぜる音が、絶え間なく聞こえる。

「───────」

 炭が燃え尽き灰になる頃、ようやく僅かに陽が差してきた。

◇◆◇

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