《MUMEI》

「…その名を口にするな」

私の口を押さえ付けながら、孝太は今度は寒気のするような冷たい口調で言うと、私を睨みつけた。


「何で俊彦が探してたのがお前なんだ」


必死で孝太を押し退けていた私の両手首を、孝太が強く掴んだ。


(痛っ…)


そのまま私の両腕を私の頭上に上げると同時に、孝太は一気に間合いを詰めた。


ビクッ


私の両足の間に孝太の右足が押し付けられた。


「そういえば、…ここが弱点だったな」


青ざめる私の顔を見て、孝太は口から手を離し、確認するように


私の太股に触れた。


それだけで


たったそれだけで


私は何もできなくなった。

ただ、青ざめて震えるばかりの私を、孝太は体を密着させたまま見つめた。


「今ここでお前を奪ったら、俊彦とお前の絆は壊せるだろうか?」


言いながら、私のTシャツをまくり上げる。


孝太は、私の体が動かないのを確認して、両手首を掴んでいた手を離した。


そして、私のジーンズのベルトを外した。


元々太めの、大きめのジーンズだ。


簡単に、隙間が出来る。


孝太の手が、ジーンズの…その下の私の下着の中に入ってきた。


(動け!私!)

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