《MUMEI》 告白「谷口……あたしね、あたし谷口のこと」 ――ピリリリリリッ 「ちょっと待って」 「出ないで!」 「え……?」 暗くて、よく永井さんの顔は見えなかったけど、これから何か大切なことを伝えようとしていることがわかった。 ――ピッ 「……これでいいよね。さぁ、話して。聞いてあげるから」 「どう……して?どうしてあたしに優しくするの?」 「どうしてって……オレがこうやってクラスのみんなと仲良くなれたのは、永井さんのおかげだからかな。特に永井さんは一番の友達だよ」 「あたしは…っ!あたしは谷口のこと友達だなんて思ってない」 全身がしびれたような気がした。 『友達ダナンテ思ッテナイ』 心が――…ひどく痛んだ。 「あたし……谷口のことが好きなの」 ――え? 前へ |次へ |
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