《MUMEI》

「どうって…」


まさかそんなことを聞かれるとは思ってもいなかったので戸惑った。


「俺は…この半年、ずっと辛かった。眠れない日なんて何日もあったし…」


太一はため息をついて天井を見上げた。




「愛加のこと…忘れようって何度も決めたけど、忘れることが出来なかった…」




そして太一は姿勢を正して私を見た。


「やり直せないかな……?俺たち…」


太一は真っ直ぐに私を見つめている。


太一とやり直す…


それは随分前に諦めながらも、心のどこかで期待していたこと…


太一と…


やり直す…


「無理?」


なかなか返事をしない私に太一は不安そうに尋ね、私は首を横に振ることで答えた。

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