《MUMEI》

ふと右の車窓からTOKYO-BAYの夜景を眺めると――…


煌めく街灯りの中に、ふた月ほど前、カオリちゃんと一夜を共に過ごしたホテルが見えた…。



不意に、その夜彼女と交したやり取りが脳裏に浮かぶ――…



☆。.:*:・゚〇。.:*:・゚☆。.:*:・゚〇。


『考えてもみて……悩みがあっても誰にも……主人にすら相談できない辛さを…』


『…分かるよ…。カオリちゃん…。』


☆。.:*:・゚〇。.:*:・゚☆。.:*:・゚〇。



「―――分かって無かったじゃないか…」

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