《MUMEI》 pipipipi…pipipipi… 日曜の朝。 同じようにアラームに起こされた。 昨日練習後に昼寝していたが、説明不足のメールを送っていたため、送った人たちから詳しい情報を求めたメールが返信されてきたため、ちょくちょく起こされた。 まぁおかげで、夜ぐっすり寝れたからいいけど。 なんとか人は集まった。 ギリギリだけど。 予定通りエース45はヤマ。 センターは翔太。 左サイドは僕でいいだろ。 残りは海南クラブの人たちが来てくれる。 piriririri…piriririri… 「ヤマ?僕だけど。今起きたから準備して行くわ。」 「あいよ〜。」 昨日と同じコンビニへ。 それから赤高へ。 赤城北高校。 僕たちの出身校。 チャリで20分かけて通ってた道も。 車では10分程。 便利な世の中だね。 ん? どっかで言ったか。 コンビニに着いた。 「よっす。」 「よ〜っす。」 「翔太来るって!!」 「お〜、久しぶりだね。他の人たちは?」 「大丈夫!!なんとか揃ったから。」 「んなのか。キーパーって…」 「うん。恭介。」 水川恭介。 高校時代僕たちの最後の試合の相手だった、海南高校のキーパー。 タメ。 僕と同じ専門学校に入学してきた。 同じクラスだった時は驚いた。 恭介に勧誘されて、今のチームに入った。 悪いけど、恭介の顔は覚えてなかった。 ただ覚えてたのは、当時海南のキーパーが僕たちとタメの中で一番上手かったってこと。 海南出身でキーパーってことを聞いて思い出した。 恭介は僕のことを覚えてたみたいですぐに話しかけてきた。 中学と比べ、高校ハンドボール人口は増加している。 しかし、それでもハンドボール人口は少ない。 高校の頃の部活が一緒。 それもハンドボールのようなマイナースポーツをやっていたとなると、仲良くなるのに時間はかからない。 他に話せる人がいないから。 「水川は何で大学行かなかったのかな。あいつの実力ならどこ行っても、通用しただろうに…」 「ヤマ。それはお前もだろ。」 前へ |次へ |
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