《MUMEI》
保健室 〈おれ〉
―…もしかして、弁当に食えないモンが入ってたとか…??


いろいろ考え、不安になりながら走って、やっと保健室に着いた。



「蓬田!!」



ドアを開ける、



先生も、他の生徒も居ないようだった。

奥のベッドのカーテンが締まっている。



「…蓬田…??」



言いながら、カーテンを開けると、布団にくるまった物体が現れた。



「…寝てんの」



言いながらベッドに腰掛ける。



「…………」



『無言』が返ってくる。



「…腹、大丈夫かよ?
―…もしかして、弁当にヘンなもん―…」


「…おいしかったよ!!」


「うわ、」



突然、がば、とベッドの上の物体が跳ね起きた。



「お弁当、すっごくおいしかった!!ありがと!
…あ、あと肉じゃがも、すごく」


「…おまえ、腹イタは…??」



急に元気になった蓬田に問いかける。



「…あの、…えーと……」


「―…痛くねえの??ホントは」


「………うん、…ごめん」



俯く蓬田。



「…じゃ、行くぞ」



蓬田の腕を掴み、立たせようとする、と。



「…だめ、無理!!」



動こうとしない蓬田。



「…なんで」


「…だって…」



蓬田は、理由を話し始めた。

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