《MUMEI》
保健室 〈私〉
「失礼しまーす…」



保健室のドアをそっと開け、中に入る。


…あれ?香織さん居ない…



香織さんとは、この学校の『超』が付くほどの美人養護教諭で、
実は、私のママのいとこ。

香織さんとママは昔から仲が良かったから、私も小さい時から香織さんを知ってる。


…私の憧れの人で、良き相談相手だ。



私は、保健室の一番奥のベッドのカーテンを閉めると、寝転んだ。


布団にくるまる。


保健室の空気は、すごく落ち着く―…



と、


ばたばたという足音が近づいてくる。


…香織さん…??

乱暴に、扉が開かれる。



「蓬田!!」



―…『私』の声…


…椎名くん!?

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