《MUMEI》

やっと解放された私は、息を整えると、



「…今日は、体育、休ませて、ね??」



と、椎名くんに懇願した。



「…今日だけ、だからな」



椎名くんは、小さくため息をついた。


椎名くんの隣に腰掛ける。



「…わき腹、弱いんだね」


「…るせ」



意外な弱点を知って、なんだか優位に立った気分。



「…なあ、おれ思うんだけど」



椎名くんが切り出す。



「…おれたちが入れ替わったこと、分かってくれる人…必要なんじゃね??」

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