《MUMEI》 「はい。もしもし………?」 僕は、ムッとした口調で電話に出る…。 ―――ティン!……シュボ!…… シガーを口にくわえ、火をつけようとした。 しかし――… 「――――えっ……!?」 ―――…カチャッ… 電話の向こうで妻が口走った言葉に、僕はシガーに近づけたデュポンの火を消した。 「――う…嘘だろ………? …あぁ…分かった…うん。 …僕もすぐそっちへ行く!」 真っ青な顔で携帯電話をしまう僕に、堀川は心配気に語りかけた。 「社長……どうなさいましたか…?」 「堀川…。 すまないが、今すぐ聖○○病院へやってくれ――…。」 =*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=* 前へ |次へ |
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