《MUMEI》 「もう大学でハンドボールやろうとは思わないよ。たまにこっち帰ってきて、練習混ぜてもらえればそれでいい。」 「…?」 意味深な言葉に思えたけど、深くは聞かなかった。 学校に着いた。 今日は時間よりちょっと早め。 「ちょっと時間あるね。」 車から降りて学校の前で、メシ。 牛乳とパン。 ヤマはタバコ吸ってる。 近くに駐車してた車から人が降りてきた。 「ようヤマト。久しぶりだな。」 「練習試合とはいえ、またお前と試合できるとはね。しかも、同じチームとして。」 「僕も前同じようなこと言ったわ。」 恭介だった。 海南に入ってから初めての試合の時、僕も恭介と試合に出るのは不思議な気持ちだった。 「つかさクロ。珍しいよね。試合やるから来いなんて。後輩が気になんの?」 「ん〜。どうかな。ほとんど僕の興味本意って感じかなぁ。」 「昨日もそんなこと言ってたよね。意味わかんないんだけど。」 「まぁ間違ってるかもしんないから、なんとも言えないね。」 パンを食べ終わった僕は、タバコに火をつけた。 「ふぅ〜。」 だべっていた僕たちにバイクが近づいてきた。 「翔太!!」 「お〜!!クロさん、ヤマトさん久しぶりっすね!!」 「あれ?こいつ確か1個下だよね?」 「そうそう。1個下の代のキャプテンだったやつ。」 「…あ〜!!海南のキーパーでしたよね!!あそっか、クロさん今海南クラブでしたもんね!!」 「うん。しかも今クラスメートだしね。」 「変な感じっすね。あの時の敵とまた試合をやるって。しかも同じチームで。」 「また同じこと言ってるよ。」 おっと。 海南の人たちが来たみたいだ。 「そろそろ行こうか。」 「おう。」 「んじゃバイク停めてきます。」 僕はタバコの火を消した。 前へ |次へ |
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