《MUMEI》 ワンサイドゲーム試合が始まった。 赤高ボールからだ。 試合開始直後ってこともあって、セオリー通りパス回しから攻めてくるらしい。 センターからエース45へ、エース45から、左サイド、そしてまたエース45へ。 時間をかけてきてる。 さてさて、どこから来る? 昨日みたいなセンターと45のクロスからのシュートは通用しないよ。 「ポスト右言った!!」 恭介がディフェンスに伝える。 ディフェンスの死角になることが多いポストの動きを伝える。 これもキーパーの仕事だ。 「ポスト上がった!!」 ポストクロスか。 どっちにしてもロングかい。 他にパターンないのか? 「打つぞ!!」 2枚目が前にでる。 ハンドボールのディフェンスは1枚目、2枚目、3枚目と分かれている。 1枚目とは一番端。 通常両サイドがやるケースが多い。 2枚目とは1枚目の隣を指す。 3枚目は2枚目の隣。 つまり、3枚目が内側で1枚目が外側。 その間にいるのが2枚目という形だ。 ユキヒロがシュートを打つ。 「ナイスキー!!」 恭介が止めた。 僕と、右サイドの先輩はユキヒロがシュートを打つと同時に走っていたが、赤高も戻ってきていた。 当然速攻は出せない。 「1本とりましょう!!」 翔太が恭介からパスを受け取った。 年上に囲まれてやりにくい中悪いね。 翔太。 前へ |次へ |
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