《MUMEI》







シュンカ「……ニヤーヴァ?」

私はニヤーヴァを探していた。

あの二人はミチカには黙っていろとは言ったが、ニヤーヴァには黙っていろとは言ってない。

だから………あのことを伝えようと思う。

ニヤーヴァは……きっと星の見える場所にいるはず…

何かあった時は必ずその後に星ノ御告を聞きに行っていた。

星の見える場所なんて何処にあるかわからなかったが、自然と 足が動いていた…







そして、だいぶ歩いた時、星の見える場所に着いた。

そこに、あの人はいた…

シュンカ「……ニヤーヴァさん…」

その名を呼ぶ。

ニヤーヴァ「…シュンカか……何じゃ?」

その人はそう答えた。

シュンカ「少し……お話しが…」

ニヤーヴァ「なんじゃ?言うてみい…」

シュンカ「………リュウカさんとリグトさんのことです。」

ニヤーヴァ「………そうか…」

シュンカ「そうかって……気にならないんですか?」

ニヤーヴァ「まああやつ等のことじゃ…多少は心配じゃがこれと言って気にしとりゃせん。こんなことで死ぬような命(タマ)でも無いしのぅ…」

シュンカ「………ニヤーヴァさん……」

この人はあの二人の血の繋がった家族…

こんなことは言っても相当心配なはず…

それを態度に表さない……それはとても強いと思う…

この話は部外者である私が易々と口に出してはいけない………そんな気がした…

そろそろ戻ろう…

私はこの場から立ち去ろうとする。

ニヤーヴァ「………待ちなされ。」

ニヤーヴァに呼び止められた。

シュンカ「………?」

ニヤーヴァ「……おぬしはいつか全てを思い出す時がくるじゃろぅ………」

シュンカ「……わかりませんが…恐らく…」

ニヤーヴァ「今はわからなくてもえぇ………。ただな…その時が来てもじゃ………自分を見失ってはならぬぞ。」

シュンカ「……よくわかりませんが……わかりました。」

ニヤーヴァ「うむ………ではの…」

シュンカ「はい、また…」





これがニヤーヴァとちゃんと話した最後の時だった…

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