《MUMEI》

シュンカ「……私がここに来なければ…また違う運命だったのかもしれない…」

ミチカ「違う!違うの!」

シュンカ「…………ごめん…」

私はそう言い残してその場を去る…

これで……よかったのかな……





私は部屋に一つの書き置きを残した。

長い長い旅に出ると書いただけの書き置きを…





都の入口に着く。

振り返り、都の景色を目に刻む……

ここにはもう戻って来れないかもしれないから……

シュンカ「……さようなら…」

そう言い残して歩き出す。

すると…
?「待って!」
という声が聞こえた。

振り向くと…そこにミチカがいた。

シュンカ「……わざわざ見送りに?」

ミチカ「……私はシュンカが離れていくのはやだから…。あんなこと言ったけど本当は一緒にいたいから…。」

どうやらあの書き置きを読んだのか……息を切らしながら話している

シュンカ「……ミチカ…」

ミチカ「シュンカが遠くに消えていっちゃうのはごめんだから…。」

ミチカは拳を握る。

ミチカ「どうしても行くと言うのなら……私もついてく。どこまでも一緒がいいから…。」

シュンカ「………こんな疫病神でいいの?」

ミチカ「誰もそんなこと思って無い。」

シュンカ「………わかった。」

ミチカ「いいのよね?」

シュンカ「うん。でもかなり長旅になる。ここに帰って来れるかもわからないよ?」

ミチカ「それでもいい。前におばあちゃんが言ってた広い世界を見てみたい。」

シュンカ「………わかった。」

いくら言ってもひいてくれそうにないから了承せざるを得なかった…

でも……これは始まり…

これから始まる……長き旅……





【序章・完】

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫