《MUMEI》

次の日。


ちょっと遅刻した。
寝坊した。


部活の道具はしっかり持っていた。


そろ〜っと後ろのドアから教室に入った。


「黒田〜。普通に入って来い。」


「…すいません。」


怒られた。


授業はすぐ終わった。


途中からだったしね。


「小太郎くん。」


藤田さんが近づいてきた。


「何?」


「その荷物…?」


「うん。僕ハンド部入ることにしたから。」


「ホント!?」


「え〜!!クロ部活入ったの〜?」


「うん。わり!!」


「当分遊べないじゃん!!」


「ごめんね。まぁ学校で絡めるじゃん!!」


「そうだけど〜」


そう言ってもらえたのは嬉しかった。
でも早くハンドボールをやってみたかった。


昼休み。


ヤマと一緒に職員室へ。
入部届けを出してきた。


そして放課後。


「1-A!!黒田小太郎です!!中学の時は陸上部でした!!高校では一瞬バスケ部だったんすけど、すぐ辞めました!!でもハンドボール部は辞めるつもりはありません!!よろしくお願いします!!」


「おぉ〜!!よろしく〜!!」


「辞めんなよ〜!!」


「うっす!!」


居心地はよかった。
僕が入部した時、部員数は18人。


1年生は僕を含めて5人。


2年生は6人。


3年生は7人と、決して多くはなかったが、それだけに僕は期待されていた。

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