《MUMEI》

「黒田。
最初だからな。
まずは端でパス練だ。」


「はい!!」


最初は、


指にテーピングや両面テープを貼る。


ハンドボールでは当たり前のことも出来なかった。


「えっと…、
俺1-Dの阿久津。


俺も初めて1ヶ月くらいだから、まだわかんね〜こと多いんだ。


よろしくな!!」


「うん。よろしく!!」


体育館の端で、パス練を延々やった。


初めて触ったボールは、不思議な感触で、


でも投げやすいように出来ているようだった。


パス練は凄く楽しかった。


辛いこともあったけど、


楽しさが忘れさせてくれたし、


ヤマや阿久津、
先輩たちとも仲良くできたから辞める事無く続けられた。


それから…


数ヵ月が経った。

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