《MUMEI》 11月になった。 夏の大会後3年生は引退し、新キャプテン菅野さんの下、新チームとして活動していた。 ヤマは新チームですぐにエース45のポジションにつき、練習試合で頭角を表していった。 僕たちは、人数不足のため、1年生大会の出場を断念していた。 僕も練習試合で起用されるようになり、左サイドとしてポジションを定着させた。 そして、新人戦。 新チームとしては初の公式戦だった。 1年生5人。 2年生6人。 計11人という少数精鋭で望む。 この数ヵ月。 ひたすら走り続けた。 日課だったから? 違う。 自分だけの武器を身につけるためだった。 それが… 「こっち!!!!」 新人戦初戦。 僕は… 誰よりも早く走りだし、誰も追い付けないスピードでコートを走っていた。 「8番だ!!!8番止めろ!!!」 2年生のキーパー泉さん。 泉さんは天才的に上手いキーパーだった。 泉さんが止める。 僕が走る。 そして僕がシュートを打つ… 「ナイッシュー!!」 新人戦初戦。 27対10。 17点差という大差をつけ、赤城北高校は初戦を突破した。 僕の得点は7点。 サイドとしては十分すぎる得点だった。 7点のうち、6点が、極め続けた速攻による得点だった。 前へ |次へ |
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