《MUMEI》

先輩たち最後の試合。


これがどんな意味なのか。

僕は深く考えていなかった。


「さて初戦だ。言っとくけど、俺は1試合も落とす気ね〜ぞ。」


「優勝狙うってことすね。俺も…落とす気ないですよ。」


「僕も同じ気持ちです。」


負ける気がしなかった。


この時の僕は、周りの力を認めていたし、自分の力も信じていた。


そして初戦。


柱谷高校との試合が始まった。


ヤマは相変わらず動きがキレていた。


序盤から飛ばす僕たち。


3連取して試合の主導権を掴んでいた。


「ナイッシューです!!」


ベンチから声援が聞こえていた。


柱谷のベンチは序盤こそ声が出ていたが、10点差がついた頃から、しだいに静かになっていった。


「こっちパス!!!!」


僕も速攻で得点を重ねていた。


結果…


38対14という大差で勝利を納めた。


その日初戦を大差で決めた僕たちは、続く2回戦も勝利し、3回戦。


つまり準々決勝へと駒を進めた。

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