《MUMEI》

「さて これで 私が 見えますね。黒猫さん。」

「はい。美しい 姿が見えますね。」
僕は 答えた。

「さっきの 質問は なんなのですか?女神様。」

女神様は 「ふふっ」と 笑って 説明を始めた。

…椅子の上の 鏡は 本性を映す鏡 なの。覗いた人によって 見える姿が 変化するのね。
冷酷な人は 冷酷な姿に。優しい人は 優しい姿に。

「じゃあ 僕は? 何も 見えなかったんですけど?」


「黒猫さんはね、とても 特殊な ケースで 心が 透明(ピュア)なんですね。だから 映らなかったんです。今まで で 三人ほどしか いませんでしたね。素晴らしい 心 の持ち主ですよ。」

僕は 誉められて 少し照れくさかった。

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