《MUMEI》

   〜歩視点〜


麗羅チャンと一緒に居る人物を見て思わず顔をしかめる。


・・・・・誰だったっけ?


確か・・・・・いい人じゃなかった気がする。


顔をしかめたまま腕を組み必死に思い出そうとする俺に麗羅チャンは


「今日友達になった北川 真星だ」


っと言い隣にいる北川 真星という人物に笑顔を向けた。


・・・・・北川 真星?


・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・。


"特にあの女の子たちのリーダーぽい人には、気をつけた方がいいかもね。"


"ん〜詳しくは分からないけど、黒い噂が多いんだよね・・・。"


この間、小湊さんの言ってた言葉が頭をよぎる。


・・・!!!思い出した!


「麗羅チャンに酷いことを言ったヒソヒソ軍団のリーダー北川 真星!!!」


俺は手をぽんっと叩いた。


少しの間、沈黙が流れる。


「・・・・・真星に謝ってよ。真星はそんな子じゃない!」


麗羅チャンのいつもより低い声が静かな教室に響いた。


「麗羅・・・。別に私、気にしてないから」


北川 真星はニコリと笑った。


「でも・・・・・。」


ガラガラ―――。


麗羅チャンの言葉を遮ってドアが開く音がし、何人かの生徒が入って来た。

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