《MUMEI》

花子がチャチな優越感を得るための犠牲となった早川は、屈辱に震えながら下唇を咬んでいた――……。



「それじゃ…また後ほど…(笑)

…オホホホホ」


花子は、幾千万もする晴れ着の袖をひるがえすと、かつてのクラスメート達の合間をかっ歩した――…。


すると、モーゼの十戒のワンシーンのように、人垣が割れる…。



―――ヒソ ヒソ ヒソ…ザワ ザワ ザワ…


高飛車な態度を妬む密声も、今の彼女にとっては心地良いさえずり程度にしか聞こえなかった…。



花子は傲慢な笑みを浮かべながら、その間を練り歩いていった――…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫