《MUMEI》 「寝ないで! ねぇ、結局、俺達、どうなったの? どうするの? 付き合うの? ねぇ〜、蝶子!」 「…なら、…なんか、しない」 「え?何?」 私は、もう一度、同じ事を言って、眠りについた。 『嫌いなら、キスなんか、しない』 ーと。 それから、俊彦が何かいろいろ言っていて、私は一応頷いたらしい。 一晩明けて 私と俊彦は 幼なじみから 『彼氏と彼女』に 『恋人同士』になっていた。 ただし、俊彦が我慢してくれたから、私達はその夜は、キスしかしなかった。 そして、この話は 帰ってきた雅彦や 出勤してきた和馬を始め 商店街の皆に知れわたった。 …当然、孝太にも。 孝太は、麗子さんに殴られたからか、精神的なショックからか…『頭痛がする』と言って、『シューズクラブ』を休んでいた。 孝太のアパートには、毎日和馬と琴子が様子を見に行っているらしい。 私は… 『まだ、行かない方がいい』と、二人に止められていた。 …俊彦は、一度会いに行って話をしたらしいが、話の内容は、『男同士の事だから』と教えてくれなかった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |