《MUMEI》 試合は動かなかった。 1点が遠い。 5分以上も両チームとも点が取れない。 ハンドボールでは珍しい展開だった。 速攻ができない。 これまでの相手と違い、ディフェンスの戻りが早く、そして純粋に足が早かった。 赤高のオフェンス時。 ポストの長谷部さんにパスが回り、相手ファールにより7メートル。 7メートル。 シュートモーション中に起こったディフェンスファールの場合、キーパーとシューターとの1対1のシュート対決が貰える。 サッカーでいうPKだと思ってもらってよい。 これをヤマが決める。 先取点は赤高だった。 「ナイッシューです!!」 途端に盛り上がるベンチ。 その後それまでの動かなかった試合が、一気に動き始める。 点の取り合いだった。 前半終了時。 7対6と赤高がかろうじて1点リードする展開となっていた。 そして後半。 前へ |次へ |
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